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ブレンパワード13,14話感想

先週この辺りまで書くつもりだったのが1週間伸びてしまった。そんな7月第2日曜日更新のブレンパワード感想13話「堂々たる浮上」と14話「魂は孤独?」です。

 

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人が大量に死ぬ

全人類がこの分類に納得しているかは別として、世の中には俗にいう白富野・黒冨野という作品のカテゴライズがあるようです。何を白黒と呼ぶかは人によるのでしょうが、これを何割の富野ファン(ガンダムファン)が認めるのか別として、作中で人がどれだけ死ぬかという事が基準になることがそこそこまぁまぁ多いようです。そしてまぁ、私もブレンパワード視聴前は白富野代表作として聞いていましたし(こちらに意義を唱える人はあまりいないでしょうが)、人が死なないと聞いていました。

 

嘘つけ!13,14話と大量に人が死ぬ!

 

...というのは少々乱暴な言い方で、本当はずっと気にはなっていたことで今まででも

地殻変動や高波から避難する人々や、

水没した都市と機能しなくなった住宅街、

街を破壊して確実に人を殺したであろう比瑪ブレンのプレート、

食料調達のために盗みを行う比瑪、

3話ではもはや日常化していたと思われるオルファン浮上に伴う高波による市街地の破壊、

水没しててっぺんだけのぞかせているビルに腰かけての釣り(食料調達)、

山など高い位置に難民キャンプを張る避難民など、

どう考えても既に死者が大量に生まれているであろうかなりハードな世界設定であるのだということは画面のあらゆる場所から感じることはできました。人が死ぬのは別にここだけの話ではありません。

だからまぁ嘘つけ!と心中で叫んだのは今が初めてというわけではないという話です。これは同じく白富野代表作として挙げられる∀ガンダムでも同じでした。1話で地球に降りたロランは「みんな早くかえってこーい!」と月に向かって吠える柔らかい印象を与えてはくれたのですが、2話で地球帰還作戦のために降下したディアナ・カウンターのウォドムのビームにより町は破壊され、ヒップヘビーはことごとく爆散させられます。ここでも私は嘘つけ!と最大ボリュームで叫んでいました。心の中で。

ここで白黒論争をするつもりはありませんし、今私が言いたいのは「白富野は人が死なない?人が死なないから白富野?ハードじゃない?嘘つくんじゃねぇ!」という話だけです。メインキャラクターが死なないというならばそれは事実としてあるでしょうけど。

 

さてさて、もちろんハードな面が描かれたのはここが初めてというわけではないですし、そのような言い方をするのならばこの作品はここまで常にハードだったのですが、ここまでストレートに描かれたのは間違いなくここが初めてでしょう。5話でシラー・グラスの爆撃中、逃げ惑う人々だけでなく その中1人座り込んで泣いていた女の子にカメラが向いたりはしていたのですが、何せ桁が違います。

冒頭から異常に盛り上がる海面、そして人工衛星が一瞬で破壊されつくしてしまうというTHE 異常事態。しかし本番はここからで、高波により街は破壊され人々は為す術なく波に飲まれていきます。最初にカメラが向いたこの人たち、明らかに避難が遅すぎるし予期せぬ的に唐突にやられたといった感じになっているのですがこれは一体どう考えればよいのでしょうかね?これ以上高い位置に逃げる事ができなかったのか通信網が全滅していたのかはたまた別の理由か。しかし山道を駆け上がっていたパトカーがあの後海の藻屑となるまでそう時間は要しなかったでしょうし、高台に逃げた人々もあえなく撃沈。どちらにせよという印象は受けます。

14話冒頭でも規模は落ちるのですが、報道関係者の物なのでしょうが1機墜落。そして同じ報道関係者でしょうが黄色いヘリコプターは波に飲まれ、もう1機別にあった飛行機も辻雲に巻き込まれます。冒頭から3機の飛行物体がそれぞれ別の方法で始末されます。

 

同じ時間に、同じ位置に、同じ理由で、同じような状態で居合わせた人たちに対して同じ殺し方をしてないんですよ...。怖。

 

ジョナサンによって国連軍の艦隊が爆撃された時も

「ああなったら、ただの虐殺じゃないか」

「あの船には、何百人もの人がいるんだ」

と台詞も全く隠すことはせずに甲板で倒れる人たちも至って当たり前のように描いています。誰だこれを見ていながら人が死なないなんて表現を思いついた奴は...。

 

その他

ちょくちょくと

翠に連れ去られる勇の回想

子供の気持ちは無視されるものなんだと自分が上の村を離れる時を思い出す勇。

「もう、男の子はいつまでも甘えん坊で困るわぁ」と勇にニコニコ頬ずりをする翠だが、母親を演じて見せているような他人事さがついて回る非常に気持ちの悪いシーン。勇の記憶の確からしさは定かではないがこの回想に従うならば勇は行きたくないという意思表示を言葉だけでなく(これは2話でしたかね?)動きでも行っており翠もそれを横目でしっかり見ている。こういったところから感じられるちぐはぐさが怖い。

ちなみにこの回想では直立不動かつ無表情の直子おばあちゃんが何を思うのかは全く読み取れぬ。

ジョナサンは依衣子に手を出したのか

ジョナサン流の煽りの一部には自身がクィンシィと翠と肉体関係を持ったというものが含まれており、翠は間違いないのだが

(ちなみこれ各レンズに違うものが写っているのかと眼を必死に凝らしたのですが塗りミスっぽいですね。こういうのあまり気づかないんですが)

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13話オルファンにて

ジョナサン「小生は伊佐未勇を恋敵というつもりで排除することに全力を尽くします」

 これはどう考えようとも、関係があったという事をほのめかすどころか暴露する域の台詞なのだが依衣子からは「あの2人、何があったのだあの2人に」と少々天然とも思える心の声。こちらにはジョナサンの魔手が伸びておらず、ジョナサン流の強がりはこちらの方ではないのだろうか?

カント・ケストナー

オルファンが停止したことなどにより作戦停止とのお達しを受け取ったノヴィス・ノアと困惑するクルー。アイリーン艦長が「仕方ない?仕方ないんですね!}と自身に言い聞かせるような台詞回しを披露する傍らでカント・ケストナー君(10歳)は「でしょうね」と言う。

しかし続く言葉は「この船のオーガニックエナジーの放出がオルファンに気持ちいいってこと、それはあり得るもんな。その結果はデータだけじゃ分からないもんな」と大人たちが問題としている事と明後日の方向の内容を独り言ちます。何だかんだで子供で自分の守備範囲外なのかでしょうか。大人たちが抱える厄介ごとも目の前の戦闘も、どことなくどこ吹く風という印象も受けました。