ブレンパワード5,6,7,8話感想 その1

さて、今回は5話「敵か味方か」,6話「ダブル・リバイバル」,7話「拒否反応」,8話「寄港地で」を視聴した感想を書こうかと思います。

久々ですねー。

 

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5~8話までの流れ 

一応大雑把に5~8話までの話の流れをまとめようかと思います。

 

カナンはノヴィス・ノアの動向を探るべく先発としてグランチャーで出撃し、ノヴィス・ノアに接近。そのカナンを見た勇はかつての(仕事上の)パートナーとして決めていたのであろう緊急時の落合い場所に向かい、同じくそこへ向かったカナンと会話の機会を得ることに成功します。しかしカナンは先発という名目で勇を釣る餌にされており、かつオルファン(というよりジョナサンやシラー)からの排除対象となってしまい撃墜され、図らずもオルファンから脱することとなったのが5話。カナンが離脱する話。

 

そして6話では、地震とともにプレートが発生したという情報をキャッチしたリクレイマーはプレート回収に大量のグランチャーと潜水艦ヌートリアを投入します。

 

この地震に対して日本政府は理化学研究所(理化学研究所って、理化学研究所でしょうか(笑))の職員を派遣し、ノヴィス・ノアからはヒギンズやコモドを偵察として派遣します。ノヴィス・ノアには未リバイバルのプレートが数枚ありましたし、プレート回収を行っていないわけではないでしょう。が、理化学研究所職員はともかく、ヒギンズやコモドの装備はプレート争奪戦をできるような装備ではありませんでしたし、実際ブレンパワード隊に出撃命令がかかったのはグランチャーによる襲撃があってからでした。プレートの出現に対して確信を持っていなかったのか、リクレイマーに捕捉されると考えなかったのか、その他の理由か、それは分かりませんが慢心や準備不足・想像力不足ではないのかなという印象は否めないかな。

理化研職員は「私たちが発見したプレート」と主張していましたから、少なくともプレート出現に確信が無かったことは確かではないかなと思います。リクレイマーが世界中のオーガニック研究トップで構成されているというのは伊達ではありませんね。各陣営の技術力の差がこうしてサラッと感じられるのは趣深いです。

 

この後1枚のプレートを奪取することには成功しましたが、後手後手で他のプレートは全て奪われることとなります。当のなんとか奪取したプレートはリバイバル。双子のブレンパワードが生まれるということですが、こいつはブレンパワードなんですかねぇ...。もう私にはグランチャーとブレンを見分ける手段は一つしか持ち合わせていませんねぇ...。グラサンか、スリットグラサンか。特性も基本ブレンパワードに近いようですが同じというわけでもなさそうですし、双子であることも含めて突然変異とかですかね?例えば自閉症のアンチボディみたいなものも探せば見つかるのでは?

今自分で書いて気づきましたが、"アンチボディ"という言葉が"抗体"という意味で使われることが増えてきてるのではないでしょうか?グランチャーとブレンパワードを合わせた呼称として認識していたのですが、思い出すのに少々時間を要しました。今はどちらかといえばオルファンの抗体(アンチボディ)としてのグランチャーやリクレイマー、グランチャーの抗体としてのリクレイマーといった用法が目立っているような気がしますね。ブレンパワードをアンチボディと呼んだのは物語最序盤のリクレイマー達ですが、当時オルファン内で特性が殺されていたのかブレンパワードは動くことのない"不完全なアンチボディ"という認識が為されていました。しかし殺されていたブレンパワードの特性が分かってくるにつれてアンチボディという呼称が不適当だという認識に変わってきた...ということでしょうか。

 

長くなりました7話に行きましょう。といっても7話はこれといって話が進んだということはなく、ヌートリアに持ち帰られ間もなくリバイバルして間もなく暴れまわらされたグランチャーを間もなく双子ブレンpowerでやっつけて、残ったジョナサンを間もなくメッセンジャーボーイにする話ですね(雑)。あとこの回アレですね。言っちゃいけないとか全くないと思うので言いますけど作画が強烈ですね。

 

そして8話、補給と会議のため港に寄るノヴィス・ノアですが話の通じない集まった大人たちにがっかり勇とそれをなだめる(?)比瑪。ブレンパワードについて語るカナン。そんなタイミングでケイディ再びといった話でしょうか。私が事件らしい事件や話の進行を書くとこうなるのですが上手くまとめられる人は上手くできるのでしょう。ちょっとできませんでした。

 

カナンの話をしよう

 カナンの話をしようと思います。ビジュアル的に最初カナンはニガテな感じがするなという印象を受けたのですがとんでもなかった。やはり動くと印象も変わりますね。動くとというだけではなく、描写が重なっていくにつれカナンは印象はかなり違ったものになってきています。以前の感想で書きましたが、2話の時点で反射的に「負け組だ!」と思いました。勇と全く噛み合わず、すれ違い、その直後に勇が再開した比瑪への彼のアクションは見ての通りでした。1年間溜め込んでいたものが勇のほぼ無自覚のあの行動を生み、噛み合わないカナンは蚊帳の外に追いやられてしまったのだと。フラれてしまった上、あのままオルファンに居続けることになるカナンが可哀想だと。

 

4,5話でのカナンはオルファンが自分の見つけた唯一の安息の場所であり生きる場所であり捨てる事ができないものである、と勇のオルファン離脱の勧めを一向に受け入れようとしません。又、オルファンを脱し感覚に変化が生じてきた勇の言葉を自分の実感として受け入れることなどもできるはずもなく話は一向に進展しません。2話で一度哀れだと思ってしまった私の哀れメーターは上昇するばかりでした。しかしそんな中シラー・グラスの襲撃を受けカナンは撃墜、オルファンを脱することとなります。

自分の意思で環境を変化させることに対して躊躇するばかりだったカナンに対して神の救いの手でしょうか?カナンは変化のきっかけを得る事となります。8話でラッセを受け入れるまでが1セットといった感じでしょうか。

 

何が正しいのか分からないと言うカナンに世代を重ねる意味というやつを考えなくちゃいけないと応える勇。「母の事を全て自分の身に置き換えて傷を深くするという必要はないっていうこと?」と返すカナン。神社の会話の延長の話をしているという点では認識を共有できているのだろうと思われます。勇としては「リクレイマーは遺伝子や記憶が全てだと言うが、なら何故世代を重ねるのか」という問いを再度投げかけたのでしょうが、話半分に聞いていたのか思い出せなかったのかポエミーな言葉で印象や理解が薄かったのかそれは分かりませんが、自分が感じていた不安に対する「それはカナンのお母さんの不安だろう?」という返答の延長の言葉だと受取ってしまいます。イマイチ噛み合わないけどこの二人だけということはないか(笑)。

しかし、世代を重ねる事には清算も含まれるのだと思えばあながち思考の飛躍というわけでもないでしょう。

 

「そういうこともあるけど...」

 

「俺は今、とっても嬉しいんだ」

確かに最初カナンは負け組だと思ってしまいました。しかしここら辺から徐々にそうでもないのではないか、つまりこの二人はそれらとは別次元の共依存関係にあるのではないかと思えるようになってきました。しかし比瑪にとってはそうではなかったようで、何度かに渡って悶着を起こします。可愛いだけなんですけど(笑)。

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「なに話してんだか」という言葉とともに比瑪の主観カット。ですがこれは確かにいかがわしい事にしている様にしか見えませんし、手の向こう側でよからぬ行為に及んでいるのではないかとさえ思ってしまいます。比瑪が抱いたそういった印象が後の彼女の勇に対する態度の一因となっているのではないかなと思いました。

ちなみに、カナンの「あなたがいなければ私も勇も迷わなかったのに!」という言葉に対しての印象も変わりました。1話東京でブレンパワードを目撃した時に離脱を急いだことに対する印象も、です。勇を奪われてしまうと直感したためだと思っていましたが、もっと広い意味で今の自分達の安定を脅かすものであると感じたためではないでしょうか。ブレンパワードを目撃し、比瑪に心を揺さぶられ、あるいは動いているブレンパワードにも惹かれ、それと同時に両親への疑念をはっきりと抱くこととなった勇。同様にカナンもブレンに惹かれるものがあったのではないか、そういった迷いがあったのではないかと思いました。

 

ちなみに

5話冒頭でヒギンズが水上ボートを使っているシーンで初めて町が水没している描写があることに気づきました。水位の上昇や地盤沈下はあるだろうなとは思っていましたが、これ以前にも描写あったんですかね?あったんだろうな。

カナンと勇の密会場所は山の人気が多いとは言えない通りで、おそらくこの高さでなければ人は住めないのでしょう。6話震源地では難民キャンプもありましたが、これもやはり山奥でしたね。

 

記事を分けて感想その2にて、続けてカナンの話をしていこうかと思います。ではでは。